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Home > 普遍のテクニック /Page2 計画のおおまかなセオリー


製図について ■ 試験課題の代表的形態。
■ 防火区画、階段・廊下のセオリーなど。


試験課題の代表的形態

■ これまでに試験課題で出てきた平面形状を総括したものです。
試験課題1階 試験課題2階
< 1階 > < 上階 >

計画のあらまし
1階 a-a' < 建物に入り、動線が機能的に分岐していく軸。>
ホール(A)に入ると、動線が各施設にスムーズに分散されていきます。また、、敷地条件に公園などが隣接した場合はホールを経由して公園に出たりします。
1階 b-b' < b-b'は外周のゾーンを示します。 >
外周ゾーンは、主に採光が必要な部屋が優先的に配置され、a−a'の来館者動線を包むようになります。
又、建物外周には、外部からホールを経由しないで入ることの出来る、「レストラン、店舗、厨房、機械室等」が配置されます。
上階 b-b' < b-b'は外周のゾーンを示します。 >
各部屋の関連性の深いもの同士を隣接して配置してみて下さい。
計画として、まず廊下の幹を一本決め、廊下を直線的にして仮定して部屋配置を考えます。次に、必要に応じて廊下を分岐させます。XY方向のスパン数がふえて階の規模が大きくなると、メインの廊下を2つに分岐させたり、ホールから3系統の動線分岐になることも考慮します。
■ アセンブリパーツ
A エリア ホール: 建物内部の各施設へ動線を振り分ける機能を持ち、ホールの中心に立つと館内の施設への色々なアクセス経路が見えるようになっています。複合用途の場合は、エントランスホールが2つになる場合もあり、エントランスホール同士を管理動線で接続する方式もあります。要求事項に従い、「機能的」に要求事項を満足するように考えます。
吹き抜け等がよく要求されます。原則として吹き抜けは、その上階にも効果があるように考えていきます。
B エリア ラウンジ、喫茶、電話コーナー、談話コーナーなどがホールの外周に配置されます。
C エリア 特に採光の必要がない室が配置されたりします。来館者用・管理側用のどちらの用途でも良いスペースで、広めのラウンジ、トイレ、倉庫などがあります。
D エリア 前述の<外周のゾーン>と同じです。
要求事項によくみられる。「環境を考慮する」は、東西南北の方角的な事も合わせて考慮します。
課題の内容とバランスをとって考えなければなりませんが、方角ごとの単体特性は知っておきます。
西面は居室は出来るだけ避け(機械室等)、南面は特に健全性が必要な部屋、北面は図書閲覧等に適し、東面は汎用性のある方角となります。
α EVや階段の縦動線。エスキスの初期段階で配置位置が決定されるようなことは稀で、通常は、各階相互の反復計画によって位置が決定されるもの。
縦動線は計画作業の一つの山となります。後々、計画が楽になるように考えながら計画したり、スケッチする指をその都度動かしたりぜずに、頭で一歩先を読みながら計画したりします。

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防火区画について
■ 面積区画と竪穴区画


防火区画前


防火区画後

法解釈 吹抜部分で、避難階の直上階は竪穴区画の緩和があるのに、なぜ防火防炎シャッターで区画するのか?という質問があります。
図 a 耐火建築物では、1500u区画が必要となり、図aの場合、吹抜を介して1Fと2Fがつながって、合計1800uとなっています。この場合、竪穴区画ではなくて面積区画による防火区画が必要となります。
図 b 通常2階部分の吹抜外周部を防火防炎シャッターで区画します。
図面には、区画ラインを点線で書きます。

■ 異種用途区画
ある主要施設に、レストランや店舗等のサブ施設が併設される場合、そのサブ施設が、主要施設と一体として利用され、管理者が主要施設と同一の場合は異種用途にはなりません。
したがって、サブ施設(飲食、店舗等)に、直接外部に面する利用者用出入り口と、主要施設からの利用者用出入り口の2つがある場合は、異種用途区画を考えます。

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階段計画のセオリー
■ 後々の計画を考え、初期段階から考慮していくのも手法の一つ。

階段計画セオリー1階

階段計画セオリー2階

階段配置 2方向避難は計画初期の段階で考え、階段相互の間隔を出来るだけ長くとれるように考えを進めていきます。
1つはロビーから直接アクセスし、もうひとつは外周側に設置出来ると良いでしょう。2階の規模が大きくなった場合や、福祉施設等(特に明確な2方向避難の確保)の場合は階段が3ヶ所以上になる場合もあります。
法規関係
建築基準法 学科の法規で学んだ、歩行距離と重複距離、2方向避難経路の明確性がチェックされます。

※歩行距離や重複距離の算定は各室の「一番隅からドア + 廊下を経て階段の入り口まで」です。厳密には使用状況に合わせて算定されるので、図書室などの書架が配置された場合は書架の間をぬって行く距離を考慮しなくてはいけません。試験では避難距離の、きわどい計画は避けることが賢明。

敷地内を避難経路に使用する場合は、有効幅員1.5m以上必要なので、柱型を考えて敷地境界から壁芯までで2mを確保します。
消防法 消防法で言う2方向避難は基準法と違い、たとえば2Fのa地点から避難する場合、b地点の廊下で火災が発生すると避難経路がふさがれてしまうので、2方向避難は成立しません。この場合a地点の窓やバルコニーからの避難経路が必要となります。
アドバイス ある部屋の2方向避難がとれない場合は、避難用のバルコニーを計画し、屋外階段や他の避難経路に接続して、2方向避難を確保することもできます。
比較的小さな部屋の為に、屋外階段を増設してしまうような計画は出来るだけ避けるようにし、必然性の明確な平面計画を心がけるようにします。

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■ 補足:3階以上の場合の避難
■ 代替進入口の例

代替進入口


法規関係 高さ31m以内、3階以上、道路に面する部分、敷地内通路4m以上に面する部分
非常用進入口 進入口の間隔 40m以下 バルコニー(長さ4m、奥行き1m)
開口部 幅75cm×高さ1.2m以上開く事が出来る窓
代替進入口 進入口の間隔 10m以内ごとに1つ(任意の割付けで可)
開口部 幅75cm×高さ1.2m以上開く事が出来る窓(直径1mの円が内接する窓)
※10m以内ごとに1つ --- 窓の間隔ではありません(図参照)
備考 代替進入口がよく使われます。試験では▼マークが無くとも合格しますが、進入口が必要な部分には窓等が必要です。又、非常用進入口と代替進入口の合わせ技は認められません。

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廊下のセオリー
■ 廊下の形はシンプルに。
直線廊下
基本は一直線廊下
一級建築士の試験で一直線の廊下で計画が済む事はあまりありませんが、無駄なくシンプルな廊下で計画しましょう。
軸線のしっかりした廊下の計画は、まとまった計画です。

Tの字廊下
Tの字廊下
T型の廊下はサブの動線になるのが一般的ですが、図aの部分が小さな室1つのためにT型になるような形態が多用されて目につく場合、計画の工夫が足りない段階かもしれません。考えなおしてみましょう。

雁行廊下
雁行(ガタガタ)廊下や屈折廊下
勉強初期にこのような形態の廊下になってしまったら計画を考えなおします。
形状としてはあり得ない形とまでは言えませんが、小さな部屋だけの為に廊下を折り曲げたり、分岐したりするのは、計画自体が未完成なケースが多くあります。

集合住宅平面
参考:集合住宅の廊下より学ぶ
集合住宅は限られた面積で居住スペースを出来るだけ広くとりたい為に廊下の面積を小さくする場合があります。

図は集合住宅でも少し広めの例ですが、LDを中心に部屋間を結び廊下を短く設計しています。

LDの部分をホールやロビーに置き換えて見てみると試験課題と似てくるのではないでしょうか?


適宜的廊下
適宜的な廊下
適当にT字型の廊下にすることによりこのブロックに
身障者、男子WC、女子WC、湯沸し室を設けることが出来ます。
関係の深い室は廊下を経由しないで室から直接結んだ例
備考 「廊下」の壁面は、「ドア」を付ける事の出来る部分として考え、壁面を有効に使ってみましょう。
※ロビーに面して部屋数が必要な場合も、同じような考え方です。
法規 通常、廊下の排煙の緩和はありません。ロビー等の排煙窓を兼用したりします。
(令126条の2-1)
外気に面する開口部のない廊下を計画しないように。(排煙距離30m以内)

廊下についての質問
■ 廊下の面積を計画の初期段階で想定したいが、どのようにすれば良いか?
不可能です。同じ用途の課題においても、要求事項や課題の特徴などの要素が絡んで廊下の面積は大きく変化します。廊下の面積はあくまでも良い計画としての結果です。また無駄の多い廊下の計画は、面積を算出してみて判断するものではなく、計画性と機能性を見て判断されるものです。

■ 延べ面積がオーバーしました。廊下の面積に無駄が多いのか?
同じプランがの階が多い(基準階)場合には、廊下の広い計画×階数=無駄の蓄積分 となりますので、延べ面積オーバーとなる場合があります。よぼどの事でないかぎり延べ面積はオーバーしませんので、無論、計画の再考が必要です。

■ 廊下幅があまり必要でない場合でも、廊下を1スパン分使った計画になってしまうのですが?
配置計画をマス割に偏り過ぎていませんか?一級建築士試験での部屋の配置計画、「単純なマス割で出来る部分」と「少し不規則な部分」が混ざっていますので、マス割を前面に押し出した手法で試験日を迎えると、また来年ということになります。

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