断面性能の使い方

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初版 2002/12/19  最終更新日 2003/2/2


ここでは各々の断面性能がどのような性質をもっているのかを解り易くする為に、断面性能の用途を簡単にまとめてみました。断面性能の用途を大まかに理解したうえで参考書などで知識を深めていけばスムーズに進めると思います。

目次


 
断面積  記号 [ A ] 単位[cm2
概 要 断面積
用 途 引張応力度・圧縮応力度、平均せん断応力度、ひずみ度
引張応力度

圧縮応力度
引張応力度(σt) = 引張応力 / 断面積

圧縮応力度(σc) = 圧縮応力 / 断面積


平均
せん断応力度
平均せん断応力度(τ) = せん断応力/断面積

※最大せん断応力度 : 長方形断面であっても、断面内のせん断応力は均一に作用していない

ひずみ度 縦ひずみ度 -- 例)ゴムに力をかけると伸びたり縮んだりする量
横ひずみ度 -- 例)ゴムが伸びたり縮んだりする時に細くなったり太くなったりする量

せん断ひずみ度 -- ゴムにせん断をかけるとせん断方向に断面がずれる量
上記の3点と同じ事が、コンクリートや鉄骨の断面内でも起こっています。

※ひずみ度は、単位長さ当りの意味です(ある断面が100kNの軸方向力を受けた時、1cm当りいくら長さが変化するか?という事です)
縦ひずみ度(εイプシロン) = 軸方向応力度 / ヤング係数
縦変形量(刄fルタL) = ε × 部材長さ
※ヤング係数そのものが、コンクリートや鉄をゴムのように見立てた数値です。


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断面1次モーメント 記号 [S] 単位[cm3
概 要 断面積×断面の重心までの距離
用 途 図心を求める時に必要 (せん断応力度にも関係しますがここでは省略)
図心 図心
図心=断面1次モーメント/断面積
>>上図
断面一次モーメント
X方向 S = 108cm2×9cm + 128cm2×22cm = 3788cm3
Y方向 S = 108cm2×8cm + 128cm2×8cm = 1888cm3

図心
断面積 108 + 128 = 236cm2
X方向 3788/236 = 16.05cm
Y方向 1888/236 = 8.0cm


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断面2次モーメント 記号 [ I ] 単位[cm4
概 要 曲げによる変形の基本的数値、断面のもつ曲げ硬さの度合い
部材成によって変化が大きい(梁成・hが3乗されます)
用 途 たわみ量、剛度、剛比、節点変位、固有周期など用途は多い
たわみ量 たわみ量
図のような梁のたわみ量(δ・デルタ)を出す時に必要
梁の断面2次モーメントを2倍にすれば、たわみ量は1/2になります

剛度

剛比
剛度、剛比
剛度(K):断面2次モーメント( I )/各部材の長さ(L)
剛比(k):各部材の剛度の比

節点変位 節点変位
上図のような節点変位は主に梁柱の断面2次モーメントと部材の長さによって決まります
また、水平方向の変位/階高(構造芯) = 層間変形角といいます。
※節点変位は曲げモーメントだけでなく、部材が圧縮や引張で伸縮したり、せん断力によって変形したりしながら起こります。

固有周期 固有周期
上図のような場合も固有周期は、主に梁柱の断面2次モーメントと部材の長さによって決まり、地震などの振動周期には影響されず構造体固有のものです。
長いバネや柔らかいバネは固有周期が長く、短いバネや硬いバネは固有周期が短い事と同じです。
※地震の振動周期と建物の固有周期と同じか、倍数関係にあると建物の振幅は大きくなり危険側になります。


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断面係数 記号 [Z] 単位[cm3
概 要 部材の曲げ強さの基本的数値、断面のもつ曲げ強さの度合い
部材成によって変化が大きい(梁成・hが2乗されます)
用 途 最大曲げ応力度を求める時に必要
最大曲げ
応力度
最大曲げ応力度
最大曲げ応力度(σmax)=曲げモーメント(M)/断面係数(Z)
この応力度が材料の持つ許容応力度以下だと梁は壊れません。
>>上図解説
曲げモーメントが作用すると、断面内には圧縮応力と引張応力が発生します。
※中立軸は断面形状や鉄筋量などにより移動しますので、必ずしも断面の中心とはなりません。   

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断面2次半径 記号 [ i ] 単位[cm]
概 要 断面二次半径
部材の座屈のしやすさに関する基本的数値になる
通常、断面二次モーメントが大きいと断面2次半径も大きくなります
>>上図解説
通常座屈は弱軸回りに発生しますので、弱軸回りの断面2次半径が使われます

曲げ材 : 図の梁は強軸回りに曲げを受けていますが、座屈は弱軸で検討されます
圧縮材 : 圧縮材も座屈は弱軸方向に起こります

※強軸回りの断面係数(Z)や断面積が大きくても、弱軸の断面2次半径が小さいと座屈が先行される為、有効に部材性能が発揮出来なくなるという事です。

用 途 細長比を求める時に必要
細長比 細長比
細長比(λラムダ)=部材の座屈長さ(Lk)/断面2次半径( i )
細長比が大きくなると座屈しやすくなるので、許容応力度(圧縮、曲げ)が小さくなります

※座屈長さ(Lk)は部材両端の支持条件で変わる(固定支持よりピン支持のほうが座屈しやすい
Lk=部材支点間の距離×座屈係数
>>上図解説
図−1 細長比が大きいので柱の許容圧縮応力度が低くなり不利です。
図−2 柱の中間を、ブレースで節点移動の拘束をされた横補剛をつけると図−1の柱に比べて有効に断面性能を活かす事が出来る。


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断面極2次モーメント 記号 [ Ip] 単位[cm4]
概 要 断面極2次モーメントIp
用 途 ねじり応力度、ねじり回転角に関連する。
ねじり
応力度


ねじり
回転角
ねじりモーメント
>>上図解説
図のような梁にねじる力が働くと、梁断面にねじりせん応力断力が発生し、ねじられた向きに梁が変形(回転)し、この回転量を回転角といいます。
MTの大きさが一定でも、梁長さが長くなるとねじり回転角も比例して増えます。

※力学有識者からのご指摘により、わかりやすい表現を検討後、修正・更新予定です。

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初版 2002/12/19  最終更新日 2005/11/23